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信号の動作を把握していることを前提として、信号配置と配線について考察を行います。バージョン101.0での動作を基にしています。

#contents

* まえがき [#l4e8f568]

simutransで複雑な列車運用を行う際に避けて通れないのが、信号配置と配線をどうするかです。
このページでは、ゲーム内での運用を前提に、信号配置と配線について考察を行います。
特に、
+ 列車が詰まらない(デッドロックを起こさない)こと
+ 列車を効率的にさばけること

に重点をおきます。

一方で、見映えや現実性はあまり気にしません。
それらは各プレイヤーの自由意志に任せます。



* 編成の運行密度 [#j2756a08]

路線を新造・改修したときに、路線の各部分は、編成の運行密度や編成数の許容範囲がある程度決まっています。
このページでは大雑把に、以下の2つの基準に基づいて3段階(低密度・中密度・高密度)に分けます。
+ 上りと下りで同じ線路を使用するかどうか
+ 平面交差があるかどうか

これ以降、編成の運行密度を、単に密度と略します。



* 凡例 [#qc2f9bba]

 ━┃┏┓┛┗ :線路
 ┣┳┫┻╋   :分岐・平面交差
 ┿╂         :立体交差
 □□□       :駅ホーム
 遊           :線路のみで信号を置かない区間。このページでは、遊び区間と呼ぶ。
                待機中の列車が、後ろのポイントをふさがないようにするために必要となる。
 →←↑↓     :列車が通り抜けられる方向
 信           :信号
 プ           :プレシグナル
 長           :LongBlockSignal
 選           :チューズシグナル
 終           :EndofChooseTrack
 禁           :進入禁止標識



* 路線の配線 [#m77a483c]

路線の配線には、いくつか種類がありますが、基本的なものについて説明します。

** 1線路1方向運転 [#ra618d26]

例えば、終端ができないように、線路を環状にして列車を運行する場合です。

** 単線 (1線路双方向運転) [#g33f79c0]

1つの線路のみで上り方向、下り方向の両方の列車をさばきます。
列車を複数運行する場合、行き違いのための設備が必要です。

** 複線 (2線路、上り方向運転+下り方向運転) [#r8c9270d]

2つの線路をそれぞれ上り列車用と下り列車用に使います。



* 信号配置と配線の実例(1) 単線行き違い [#reb7c277]

** 問題のある例 [#g5047ada]

一見すると特に問題が無いように見えますが、編成を増やしたときに詰まることがあります。

 (━━┳━信→遊━信→┳━━)
      ┗←信━遊←信━┛

2箇所の遊び区間で両方とも列車が待機しているときに、左右両方から同時に列車が来ると詰まります。
((待機中の列車のどちらかが後ろ側の信号をふさいでいるときには詰まりません))

** 問題に対処したもの [#b8d3a106]

前項での詰まりパターンが起こらないように改良したものです。

 (━━┳━━━遊━信→┳━━)
      ┗←信━遊━━━┛



* 信号配置と配線の実例(2) 線路の分岐 [#x20f4b5d]

** 複線→複線x2 の分岐 [#v4acd5a3]

 (━━━━信→┳━━信→━)  B
 (━←信━遊┳╋←信━━━)
   A        ↑┃
            信┗遊━信→━)
            ┗━━━━━━)  C

構造上、弱点になるのが線路A→Cと線路B→Aが交差する場所です。
信号待ちの列車が交差地点をふさがないように、遊び区間を2箇所設けてあります。

線路A→Bでの分岐後の信号間隔が長い場合は、分岐A→Bの直後も遊び区間にするほうがいいです。

** 複線→複線+単線 の分岐 [#q51484f2]

 (━━━信→┳━━信→━)  B
 (━←信━遊╋←信━━━)
   A        ┃
            ┗遊←信→━)  C

前項と同様、信号待ちの列車が線路A→Cと線路B→Aの交差地点をふさがないようにしてあります。

線路A→Cを通る列車が図右下の信号で待たない場合は、線路A→Cの遊び区間は不要です。

両側信号の代わりに、行き違いを作る手もあります。

** 複線→複線+単線 の分岐・その2 [#wfb2e558]

複線→複線x2 の分岐の直後で、複線から単線に変えるような感じです。

 (━━━━信→┳━━信→━)  B
 (━←信━遊┳╋←信━━━)
   A        ↑┃
            信┗遊━信→┓
            ┗━遊━━━┻━) C

** 複線→単線x2 の分岐 [#yd9f8779]

 (━━━信→┳遊←信→━)  B
 (━←信━遊┫
   A        ┗遊←信→━)  C

それぞれの複線→単線での分岐の直後の信号で待たない場合、その信号の直前の遊び区間は不要です。
また、両側信号の代わりに、行き違いを作る手もあります。

単線3路線以上に分岐する場合も同様です。



* 信号配置と配線の実例(3) 複線折り返し駅 [#f39377bc]

(TODO 途中駅での折り返し)

** 複線終端折り返し駅 [#bce3e47a]

 (━選→┳□□□1
 (━━━┻□□□2

この場合、行き先を2番ホームに設定するほうが効率的です。
理由は、たとえば、ホームに列車がいない時に2編成来て、
+ 前の列車がホームに入る
+ 前の列車がホームから出る
+ 後ろの列車がホームに入る
+ 後ろの列車がホームから出る

という順序になった場合、前の列車の行き先が2番ホームの場合は2と3を同時にできますが、1番ホームの場合は2が終わるまで3ができません。
((とても遅い列車を使う場合、同じ理由で、行き先を1番ホームに設定すると2番ホームが使われません。))

** 複線終端折り返し駅(2段分岐+立体交差) [#c53540c3]

折り返しを2つの部分に分けて、交互に入れ、独立に出れるようにしたものです。
高密度用です。

    ┏←信━遊┳□□□
 (━┿選→┳━┻□□□
 (━┫    ┗━┳□□□
    ┗←信━遊┻□□□

2つの部分で同時に列車が出ることはほとんど無いので、2箇所の遊び区間は、待ち行列が合流点まで伸びる気配が無ければ省略しても問題ありません。

** 複線終端折り返し駅(ループ線) [#zfda3074]

終端駅ホームで折り返しをしないパターンです。

        ┏□□□┓
 (━選→┻□□□┫
 (━━━━━━━┛

ホームから出て行く列車が、ホームに入る列車を妨害しないので、その分効率的です。
90度カーブが2つあるので、見栄えはあまりよくありません。



* 信号配置と配線の実例(4) 優等通過 [#uc041891]

駅の乗降客数が路線の利用客数と比べて十分少ないとき、一部の列車のみ停車させることで、より効率的に列車をさばけるようになります。

** 通過線が無い場合 [#vcf7f83d]

比較のために、通過線が無い場合も書いておきます。
下の図では、左から右に列車が運行します。

 (━━□□□━━)

通過線が無い場合、通過する列車も、停車する列車を待つ必要があります。

** 通過線の設置 [#u8466b32]

通過線を置いた場合です。信号は、通過線優先にしてあります。

        ┏□□□┓
 (━信→┻━━━┻信→━)

停車する列車A、通過する列車Bの順番に駅を通るとき、Aが停車中にBが図右側の信号まで予約できれば、追い越しが起こります。
待避線の最高速度を低くすると追い越しが起こりやすくなります。
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