信号の動作を把握していることを前提として、信号配置と配線について考察を行います。バージョン101.0での動作を基にしています。
simutransで複雑な列車運用を行う際に避けて通れないのが、信号配置と配線をどうするかです。
このページでは、ゲーム内での運用を前提に、信号配置と配線について考察を行います。
特に、
に重点をおきます。
一方で、見映えや現実性はあまり気にしません。
それらは各プレイヤーの自由意志に任せます。
路線を新造・改修したときに、路線の各部分は、編成の運行密度や編成数の許容範囲がある程度決まっています。
このページでは大雑把に、以下の2つの基準に基づいて3段階(低密度・中密度・高密度)に分けます。
これ以降、編成の運行密度を、単に密度と略します。
━┃┏┓┛┗ :線路 ┣┳┫┻╋ :分岐・平面交差 ┿╂ :立体交差 □□□ :駅ホーム ====== :留置線(旅客設定なし推奨ホーム) 遊 :線路のみで信号を置かない区間。このページでは、遊び区間と呼ぶ。 待機中の列車が、後ろのポイントをふさがないようにするために必要である。 →←↑↓ :列車が通り抜けられる方向 信 :信号 プ :プレシグナル 長 :LongBlockSignal 選 :チューズシグナル 終 :EndofChooseTrack 禁 :進入禁止標識
路線の配線には、いくつか種類がありますが、基本的なものについて説明します。
例えば、終端ができないように、線路を環状にして列車を運行する場合です。
1つの線路のみで上り方向、下り方向の両方の列車をさばきます。
列車を複数運行する場合、行き違いのための設備が必要です。
複線でも限界!という時は、複々線にしましょう。
普通に複々線、といっても2種類あります。後に解説あり。
使用方法・・・
1 客貨分離
Simutransではよく使える?
旅客用と貨物用の線路を別々にします。
2 路線分離
直通などをする時に使われます。普通に2,3路線やってると出来上がります。
3 緩急分離
各駅停車と快速がある場合、それぞれ路線を分離させます。
(→━━━━━━━━━→) (→━━━□□□━━━→) (←━━━□□□━━━←) (←━━━━━━━━━←)
方向によって半分に分けます。
代表例
(→━━━━━━━━━→) (←━━━━━━━━━←) (→━━━□□□━━━→) (←━━━□□□━━━←)
路線によって半分に分けます。
3複線、4複線・・・の場合はこれが圧倒的に多いです。管理も楽ですしね。
代表例
(━━┳━信→遊━信→┳━━) ┗←信━遊←信━┛
一見すると特に問題が無いように見えますが、編成を増やしたときに詰まることがあります。
2箇所の遊び区間で両方とも列車が待機しているときに、左右両方から同時に列車が来ると詰まります。
*1
前項での詰まりパターンが起こらないように改良したものです。
(━━┳━━━遊━信→┳━━) ┗←信━遊━━━┛
構造上、弱点になるのが線路A→Cと線路B→Aが交差する場所です。
信号待ちの列車が交差地点をふさがないように、遊び区間を2箇所設けてあります。
線路A→Bでの分岐後の信号間隔が長い場合は、分岐A→Bの直後も遊び区間にするほうがいいです。
AからCへ行くのに、平面交差で渋滞していたものを、立体交差で解決しましょう。
立体交差にはトンネルを使うこともできます。
前項と同様、信号待ちの列車が線路A→Cと線路B→Aの交差地点をふさがないようにしてあります。
線路A→Cを通る列車が図右下の信号で待たない場合は、線路A→Cの遊び区間は不要です。
両側信号の代わりに、行き違いを作る手もあります。
(密度が高くなるのに備える場合、こっちの方がオススメ)
複線→複線x2 の分岐の直後で、複線から単線に変えるような感じです。
それぞれの複線→単線での分岐の直後の信号で待たない場合、その信号の直前の遊び区間は不要です。
また、行き違いの代わりに、両側信号を作る手もあります。
単線3路線以上に分岐する場合も同様です。
この場合、行き先を2番ホームに設定するほうが効率的です。
理由は、たとえば、ホームに列車がいない時に2編成来て、
という順序になった場合、前の列車の行き先が2番ホームの場合は2と3を同時にできますが、1番ホームの場合は2が終わるまで3ができません。
*2
留置線で折り返す方式です。駅の容量が倍になります。
中密度用です。
ホームの指定は、
到着ホーム→留置2番線→駅発車ホームに設定すると効果的です。
列車の流れ・・・
というように、効率的な運用ができます。
※補足
出発を高密度したい場合、
出発ホーム中ほどに信号を設置するとよいでしょう。
特にホームの有効長・列車の編成が長い場合に効果的です。
折り返しを2つの部分に分けて、交互に入れ、独立に出れるようにしたものです。
高密度用です。
2つの部分で同時に列車が出ることはほとんど無いので、2箇所の遊び区間は、待ち行列が合流点まで伸びる気配が無ければ省略しても問題ありません。
ホームから出て行く列車が、ホームに入る列車を妨害しないので、その分効率的です。
90度カーブが2つあるので、見栄えはあまりよくありません。
しかも、結構な減速がかかってしまいます。
それでも使いたいという方には、下のようにループを大きめに作ることをお勧めします。
※OpenTTD界隈では、このような形態の駅は「Ro-Ro station」と呼ばれ、頻繁に使われる形態であるようです。
駅を通る列車が少ない時は、2線で途中駅折り返しができます。
この場合、折り返す列車は奥のホームに設定したほうが効率的です。
この方法だと列車の本数が増えてきた時に奥の線路が詰まりやすくなります。
折り返し駅手前で詰まるようになったら、中線を設置しましょう。
折り返し列車を真ん中のホームに、それ以外の列車を手前と奥のホームに設定すれば、スムーズに折り返しができます。
中線折り返しは、複線でもできます。
☆折り返し線を外側に作るのは好ましくありません。
どうしても、折り返すときに、本線を通って障害になってしまうからです。
駅の乗降客数が路線の利用客数と比べて十分少ないとき、一部の列車のみ停車させることで、より効率的に列車をさばけるようになります。
比較のために、通過線が無い場合も書いておきます。
下の図では、左から右に列車が運行します。
(━━□□□━━)
通過線が無い場合、通過する列車も、停車する列車を待つ必要があります。
通過線を置いた場合です。信号は、通過線優先にしてあります。
┏□□□┓ (━信→┻━━━┻信→━)
停車する列車A、通過する列車Bの順番に駅を通るとき、Aが停車中にBが図右側の信号まで予約できれば、追い越しが起こります。
待避線の最高速度を低くすると追い越しが起こりやすくなります。