ここでは、バージョン120.4.1での信号の使い方を説明します。
線路の他に路面軌道・モノレール・リニア・ナローゲージでも同じシステムが使われています。
また、信号のシステムは、89.**.**以降のバージョンであればほぼ同じです(プライオリティシグナル以外)。
2019年7月現在の最新安定版120.4.1・pak64を例にして1から分かりやすく説明します。
なお、pak64版に最初から入っている信号は使いづらいので
ここでは分かりやすく、アドオン/railtoolにある日本風鉄道信号を例にしていますので、導入しておいてください。
一本の線路を複数の列車で運行するためです。
これは実際の鉄道もSimutransの鉄道も一緒です。
以下にSimutransの鉄道信号(以下、信号)システムについて、信号の設置方法について説明します。
列車は、急に止まれません。
速度の遅い路面電車を除いて、目視で運転していて前方に他列車が見えた時には、時すでに遅し、衝突してしまいます。
そこで鉄道は信号を用いて列車間の制御を行っています。
信号と信号の間のことを「閉塞区間」と呼びます。
通常の鉄道では、1つの閉塞区間には1編成しか入れない、という決まりになっています。
(後述しますが、Simutransではそうじゃない場合があります。)
たとえば、図中の黄色い電車は、先の閉塞区間に他の列車がいるので、信号から先に進むことはできません。
Simutransの信号システムを理解するうえで最も重要となる予約の概念を説明します。
まずは、試しに[b]キーを押してみましょう。図のように線路が赤くなったと思います。
この赤い線路が、予約済みの線路なのです。
列車は進行中、次の閉塞区間に他列車がいないか、チェックし、いない場合はその区間を予約し、走行します。通り過ぎた後予約が解除されます。また、予約済みの線路は、解除されるまで他の列車は予約できません。
予約システムの挙動は信号の種類によって異なるので、種類別にその挙動を見てみましょう。
豆知識
半角の状態で[b]キーを押して表示された列車の予約ルートは
赤い部分をクリックすると列車の予約が解除されます。不具合などで列車が動かなくなった場合にお使い下さい。
元に戻すには調査ツール(ツールバーの虫眼鏡アイコン、または[a]キー)をクリックしてください。
信号には向きがあり、信号の向いていない方向からは、列車は進入できません。
ルートを予約する際も、自動的に信号の向いている方が選択されます。
例えば、単線区間で列車を行き違わせる信号場、複線区間の通行方向などは信号の向きを利用しています。
向きには3種類あり、両方向から通行可、奥から通行可、手前から通行可のものがあります。
既に設置してある信号をクリックすると、信号の向きを変えることができます。向きを変える際に、建設費はかかりません。
クリックするたびに向きが変わりますので、希望の向きになるまで複数回クリックしてください。
信号の向きは、「鉄道の撤去ツール」や「架線の設置ツール」、「架線の撤去ツール」にも影響します。信号の向きとは逆方向から撤去しようとすると、予想外のルートで撤去される場合があります。
ただし、線路の分岐点に信号を作った場合は必ず全方向から通行可となり、信号の向きを変更することはできません。
simutransでは、信号機、プレシグナル、プライオリティシグナル、多閉塞信号、入線振分信号の5つの信号が用意されています。
この5つはそれぞれ機能が異なるので、状況によってチェックする区間・予約する区間を使い分けることが出来ます。
また、これらの補助のために、Endofchoosetrackと進入禁止標識があります。
次の信号までの区間が他の列車に予約されていない場合、その区間を予約します。
その途中に停車駅・中継点がある場合はそこまでをチェックし予約します。
チェックする区間 | 次の信号まで。 その途中に停車駅・中継点がある場合はそこまでの区間 |
予約する区間 | 「チェックする区間」と同じ |
使用例 | 駅と駅の間 |
次の次の信号までの区間を予約します。信号機と違い、プレシグナルでは2つ目の信号までをチェックするのが特徴です。
その途中に停車駅・中継点がある場合はそこまでをチェックし予約します。
この時、次の信号より長い区間を予約するときは、プレシグナルの次の信号の挙動でチェック、予約を行います。
(プレシグナルであれば更に先の信号までチェック、多閉塞信号であれば停車駅を無視してチェック、入線振分信号であれば次の停車駅までチェックし空きがあれば予約…といった感じ)
チェックする区間 | 次の次の信号まで。 その途中に停車駅・中継点がある場合はそこまでの区間 (次の信号より長い区間の場合、次の信号と同じ挙動をとる) |
予約する区間 | 「チェックする区間」と同じ |
使用例 | 優等列車を設定しているときの、格の低い列車の指定ホーム。 |
次の次の信号までの区間を予約します。プレシグナルと違い、プライオリティシグナルでは1つ目の信号と2つ目の信号の間の閉塞区間(2閉塞目)が予約されているときは、1つ目の信号までの閉塞区間(1閉塞目)のみを予約し停車しないのが特徴です。
その途中に停車駅・中継点がある場合はそこまでをチェックし予約します。
この時、次の信号より短い範囲での予約以外では、次の信号の挙動でチェックを行います。そのため、プライオリティシグナルを連続して設置すると、そのすべての区間を予約することができます。
チェックする区間 | 次の次の信号まで、その途中に停車駅・中継点がある場合はそこまでの区間 (2閉塞目が予約されている場合は1閉塞目まで) (次の信号より長い区間の場合、次の信号と同じ挙動をとる) |
予約する区間 | 上と同じ |
使用例 | 優等列車を設定しているときの、本線 |
次の信号までの区間が他の列車に予約されていない場合、次の停車駅までの区間を予約します。信号機と違い、次の停車駅までの区間が他の列車に予約されていないだけでは、その区間を予約はしません。
チェックする区間 | 次の信号まで(その途中の停車駅・中継点は考慮されない) |
予約する区間 | 次の信号まで。 その途中に停車駅・中継点がある場合はそこまでの区間 |
使用例 | 停車駅が複数存在する単線区間入り口など |
次の停車駅までの区間が他の列車に予約されていない場合、停車駅までの区間をすべて予約します。また、スケジュールで指定されたホームに他の列車がいる場合、空いている別のホームがあればそこへ入線するように予約します。
次の停車駅までの区間をチェックするので、この信号と次の停車駅があまりに離れている場合は延々と停車し続ける場合があります。これを回避したい場合は、途中に中継点を設定して下さい。
ただし、列車の編成長より短いホームへは入線しません。
チェックする区間 | 次の停車駅まで |
予約する区間 | 次の停車駅の空いているホームまでの区間(スケジュール指定されているホームを優先) |
使用例 | 全列車が停車する駅の手前 |
電車の場合、架線がかかっている区間が列車の編成長より短いホームへは入線しません。
下の図では一番右側のホームは架線がホーム2マス分しかかかってないため、
3マス分の長さを持つ電車は入線できません。
(気動車は入線できます)
入線振分信号と組み合わせて使用します。入線振分信号で空いたホームを選択するとき、この標識を通る経路を選択しません。この標識を通る経路上に次の停車駅がある場合には、入線振分信号が通常の信号機として作用します。この標識には、向きがありません。
線路を通行できる方向を指定することができる標識です。クリックするたびに、標識の向きを変更することができます。
向いている方向からしか進入できない信号機とは違い、向いている方向からの進入を禁止します。
チェックする区間 | 予約する区間 | |
信号機 | 次の信号まで (その途中に停車駅・中継点がある場合はそこまで) | 左に同じ |
プレシグナル | 次の次の信号まで (その途中に停車駅・中継点がある場合はそこまで) | 左に同じ |
プライオリティシグナル | 次の次の信号まで (その途中の停車駅・中継点は考慮されない) (101.0より前のバージョンでは、次の信号の手前の停車駅・中継点) (2閉塞目が予約されている場合は1閉塞目まで) | 次の次の信号まで (その途中に停車駅・中継点がある場合はそこまで) |
多閉塞信号 | 次の信号まで (その途中の停車駅・中継点は考慮されない) (101.0より前のバージョンでは、次の信号の手前の停車駅・中継点) | 次の信号まで (その途中に停車駅・中継点がある場合はそこまで) |
入線振分信号 | 次の停車駅まで | 次の停車駅の空いているホームまで (スケジュール指定されているホームを優先) |